たとえ、ベッドだけの引越しでも約款(正式:標準運送引越約款)には目を通しておくことをお勧めしますが、見積もり書の裏に小さい字で書かれており読むのも面倒な方も多いはずです。
そこで、荷物がベッドのみの場合に必要最低限、知っておきたい約款の項目について記載しておきます。
第一に見積もりのルールについてです。
見積もりは基本的に無料となっており、請求されても支払う必要はありません。
しかし、引越し先でベッドが入るか、入らないかを確認を現地まで行ってもらう場合は、下見料が請求されます。
よって、もし不安がある場合は、事前にサイズの確認を行い、自宅での見積もり時に打ち合わせを行う事は必須となります。
また、見積もりに記載された金額は、約款により両者の承諾なしに変更する事が出来ません。
たとえば、当日ベッドの搬出や搬入が困難な事が分かり人員を増加した場合でも、追加料金を請求する事は出来ません。
逆に、当日人員を減らされた場合は、減額の請求をする事が出来ます。
第二に荷物の引き渡し・受け取りについてのルールです。
難しいまた無理な依頼の場合、業者に拒否される事があります。
たとえば、ベッドだけを友人宅に届けたいので中継して欲しい場合や、電動ベッドやウォーターベッドなど特殊な荷物の場合、業者は拒否する事が出来ます。
受け取りについて、こちらはあまり関係ありませんが、たとえばオークションなどでベッドの配送を依頼し、
相手側が受け取りを拒否した場合には、その処分費や一時預かり時の保管費の発生、支払いが出来ない場合は競売に掛けられる事があるので、落札者との綿密な確認は必ず行って下さい。
また、依頼した引越し業者の下請けがベッドの運搬を担当した場合でも、ルール違反にはなりません。
例えば、繁忙期などで元請け業者が仕事を請け負ったが、仕事が回らずに下請けに丸投げした場合などです。
(ただし、消費者が不利益を受けない場合に限ります。)
第三に保証についてのルールです。
ベッドや家屋に破損や汚れがあった場合、受け取りから3ヶ月以内であれば、その修繕費を請求する事が出来ます。
(もしベッドを買い替える場合は、新規購入額ではなく、時価相当額になります。)
ただし、業者による不備や不手際があった場合のみとなります。
仮にこちらでベッドを解体して荷造りを行った場合、その荷造りの不備のせいで運搬時や作業時に、業者が部品の紛失や落下による損傷が起きた場合、その費用を請求する事は出来ません。
引越し業者の場合、設置や解体は無料サービスとなっている事が多い為、全てお任せして下さい。
またこちらで解体を行ったとしても、減額される事はありません。
ただし、引越し業者ではなくヤマトや佐川などで運送業務として依頼した場合はこの費用は別途発生します。
最後にキャンセル料についてですが、こちらは引越し全般に関する事ですが、
見積もり書に記載された日付の当日、もしくは前日に中止、または延期した場合のみ費用が発生します。
当日では見積もり金額の20%、前日では10%の負担が求められます。
約款は消費者と業者間でお互いに不利益が出ないようにするための約束事のようなものですが、独自に採用しているルールがある(国土交通省に認可されたものだけです。)ため、念のためチェックされる事をお勧めします。